30年前に東京で探した「真っ黒けのうどん」――大阪・名古屋・東京、うどんと蕎麦のつゆ文化を考える

雑学

30年前、東京へ旅行したとき、私は「真っ黒けのうどん」を探した。しかし、都心では見つからなかった。下町には、昔ながらの味が残っていたかもしれない。あれから年月がたった今、東京のうどんつゆはどうなっているのだろうか。大阪、名古屋、東京の違いを振り返りながら、うどんと蕎麦のつゆ文化について考えてみたい。

結論

  • 東京のうどんつゆは、濃口醤油の色と風味が特徴。 昔ながらの真っ黒なつゆを求めるなら、色だけでなく、醤油とだしの組み合わせにも注目したい。
  • 大阪うどんは、だしの旨味とみりんの風味の調和が大切。 単に薄い色のつゆというだけでは、その魅力を説明できない。
  • 名古屋のうどんは、大阪とは異なる味の個性を持つ。 味が濃すぎると感じる場合、みりんの風味が十分に感じられないこともある。
  • うどんと蕎麦では、つゆの使い方が異なる。 関東では蕎麦のつゆをうどんにも使う店が多く、関西ではうどんのだしを蕎麦にも使う店がある。
  • 現在の東京にも、昔ながらの濃いつゆと、だしを重視したうどんの両方がある。 ただし、30年前と現在の違いを断定するには、店や地域ごとの確認が必要である。

FAQ

① 注目ポイント・注意点は?

つゆの色が濃いからといって、必ずしも塩辛いとは限らない。反対に、色が薄くても塩味が強い場合がある。醤油の種類、使用量、だし、みりんの配合を分けて考えることが大切だ。

② 重点の内容は?

大阪のうどんでは、だしの旨味とみりんの風味の調和が重要である。一方、東京で探していたのは、醤油の色が強く出た昔ながらのうどんだった。蕎麦のつゆと混同せず、うどん独自の食文化として考える。

③ どんな読者におすすめか?

関東と関西の食文化に関心がある人、昔ながらの麺類店を懐かしく思う人、うどんと蕎麦のつゆの違いを知りたい人におすすめしたい。

大阪・名古屋・東京のつゆは何が違うのか

1. 大阪うどんは、だしとみりんの調和を味わう

大阪のうどんを語るとき、単に「薄口醤油を使うから色が薄い」と説明するだけでは不十分である。大切なのは、だしの旨味、醤油の塩味、みりんの甘味や風味が、どのように組み合わさっているかという点だ。

うどんのつゆは、麺を食べるための調味液であると同時に、それ自体を味わう汁でもある。昆布やかつお節などから取っただしを土台に、醤油やみりんを加えて味を整える。店によって配合は異なるが、だしの風味を生かすことが大阪うどんの魅力の一つである。

みりんは、単に甘味を加えるだけの調味料ではない。料理にまろやかさや奥行きを与え、ほかの材料と調和する役割も持つ。

そのため、味が濃すぎると、みりんの風味が感じにくくなることがある。私が大阪うどんについて重視したいのは、まさにこの点だ。

もちろん、大阪のうどんがすべて同じ味というわけではない。だしの材料や醤油の種類、みりんの使用量によって、店ごとに個性がある。

2. 名古屋のうどんは、濃さと風味の違いに注目する

名古屋のうどんも、大阪とは異なる食文化の中で発展してきた。味噌煮込みうどんのように、濃厚な味噌の風味を生かした料理も広く知られている。

ただし、名古屋のうどんをすべて濃い味と決めつけることはできない。一般的なかけうどんと味噌煮込みうどんでは、つゆの材料も味の方向性も違うからだ。

それでも、私自身が名古屋のうどんを食べて感じるのは、味が濃すぎると、みりんの風味が後ろに隠れてしまうということだ。

これは、単に甘いか辛いかという話ではない。醤油や味噌などの味が強くなると、ほかの風味を感じにくくなる。反対に、味の構成が整っていれば、甘味、塩味、旨味をそれぞれ感じながら食べられる。

食べ物の評価には個人差があるため、名古屋の味を一方的に評価するつもりはない。ただ、大阪のうどんを基準にすると、同じうどんでも味の組み立て方に違いを感じるのである。

3. 30年前に東京で探した真っ黒けのうどんは、今どうなったか

30年前、東京へ旅行した際、私は真っ黒けのうどんを探した。しかし、都心では見つけられなかった。下町には昔ながらの店が残っていたかもしれないが、実際に確認したわけではない。

ここでいう真っ黒けのうどんとは、関東の昔ながらの濃口醤油を使ったつゆで食べるうどんのことだ。関東では、かけ蕎麦とうどんに同じ系統のつゆを使う店があり、濃い色のつゆが特徴となってきた。

一方、関西では、うどんのつゆを蕎麦にも使う店がある。このように、うどんと蕎麦のどちらを基準にしてつゆを作るかによって、店の味の方向性が変わることがある。

では、現在の東京はどうだろうか。今も濃口醤油を生かしたつゆを出す店はあり、だしを重視したうどんや、讃岐うどん、関西風のうどんを提供する店もある。東京のうどんが一律に関西風へ変わったとはいえない。

また、色が濃いことだけを理由に、だしが弱い、あるいは醤油味しかしないと判断するのも正確ではない。濃い色のつゆでも、節類のだしをしっかり利かせている場合がある。

現在の東京で昔ながらの真っ黒けのうどんを探すなら、古い麺類店や立ち食い店などを候補にして、実際のつゆを確かめる必要がある。30年前に見つからなかった理由も、都心という地域の違いなのか、訪問した店の種類によるものなのか、現時点では断定できない。

まとめ

大阪、名古屋、東京のうどんを比べるとき、つゆの色だけで判断するのではなく、醤油、だし、みりんの組み合わせに注目したい。

大阪うどんでは、だしの旨味とみりんの風味の調和が大切である。名古屋では、料理によって味の濃さや風味の構成が大きく異なる。そして東京には、濃口醤油を生かした昔ながらのつゆと、さまざまな地域のうどん文化が共存している。

また、蕎麦は全国どこでも同じというわけではないが、うどんほど東西の違いが目立たないと感じる人もいる。関西では蕎麦にもだしを生かしたつゆを使う店があり、関東では濃口醤油を生かした蕎麦つゆが親しまれてきた。

30年前に東京で探した真っ黒けのうどん。その味が今もどこかに残っているのか。昔の記憶と現在の店の味を照らし合わせることは、日本の麺文化の変化を知る一つの手がかりになるだろう。