日本の製薬業界を取り巻く「薬価」「創薬力」「中国依存」の逆風とは?『週刊東洋経済』2026年10月号の特集と注目人物を詳しく紹介します。
掲載人物
ジョンポール・プリシーノ 奥澤宏幸 新浪剛史 塩野誠 印南志帆 野中大樹 井上達彦 森孝廣 牧原出 佐々木融 加茂具樹 安井明彦 井上透 金田信一郎 佐藤優 大澤博隆 頭木弘樹 西野智彦 神田正 清水克行
結論
- 製薬業界の逆風を「薬価・創薬・サプライチェーン」の3方向から立体的に捉えられる号です。
- 第一三共、武田薬品、小野薬品、大塚ホールディングスなど、日本企業の成長戦略を具体的に追っています。
- 米国のMFN薬価政策や中国の台頭が、日本の医薬品市場に及ぼす影響を考える材料が豊富です。
- 新浪剛史氏と塩野誠氏の対談など、企業経営と地政学を結び付けて考えられる記事も注目です。
- 製薬・医療業界、投資、経営戦略、産業政策に関心がある読者に向いた内容です。
FAQ
① 今号の注目ポイント・見どころ
最大の見どころは、巻頭特集「製薬 逆風下の勝ち筋」です。東洋経済STOREによると、日本がかつて世界の新薬の約3割を創出していた一方、現在は1割程度まで低下。そこへ米国の薬価政策や中国の創薬力の台頭という新たな環境変化が重なっています。
特集では、米国の「最恵国待遇(MFN)」をめぐる問題、日本市場への影響、中国の創薬企業の躍進、国内製薬会社の研究開発力などを章立てで整理。単なる企業業績の紹介ではなく、日本の医薬品供給そのものを考える構成になっています。
② 掲載人物・特集の内容
第一三共の奥澤宏幸氏、ノバルティス日本法人社長のジョンポール・プリシーノ氏が、製薬業界の現在と今後について登場します。
さらに第一三共の抗がん剤戦略、武田薬品の「目利き力」、小野薬品の「ポストオプジーボ」、大塚ホールディングスの腎疾患治療薬とバイオベンチャー活用など、国内主要企業を個別に分析しています。
特集以外では、経済同友会前代表幹事の新浪剛史氏と経営共創基盤CEOの塩野誠氏による対談も掲載。「地政学なき経営」をテーマに取締役会改革を論じています。
③ どんな読者におすすめか
製薬会社の経営戦略を知りたい人だけでなく、医薬品の安定供給、薬価制度、創薬政策、バイオベンチャー、中国市場、地政学リスクなどを幅広く知りたい人に適しています。
また、製薬企業への就職・転職を考えている人や、製薬・ヘルスケア関連企業を調べているビジネスパーソンにとっても、業界の構造を把握するための材料になります。
今号を深掘り
今号の見どころ
2026年10月3日号の特集「製薬 逆風下の勝ち筋」は、第1章「日本への大逆風」、第2章「日本企業サバイバル」、第3章「クスリの歪み」という3部構成です。
第1章では、トランプ政権が進めるMFN薬価政策を軸に、米国市場での薬価引き下げが日本の製薬企業や国内での新薬供給にどう波及するのかを検証。ノバルティス日本法人社長ジョンポール・プリシーノ氏へのインタビューでは、革新的な医薬品を薬価面でも評価する制度への期待が語られています。
同じ章では中国の存在感にも焦点を当てています。東洋経済オンラインの特集ページでは、日本の新薬創出比率が約7%まで低下する一方、中国が新薬の源泉地として存在感を高めていることが紹介されています。
第2章では、日本企業の具体的なサバイバル戦略が中心です。第一三共は抗がん剤に集中し、「がん領域で世界トップ5」を目指す戦略を展開。奥澤宏幸社長兼CEOへのインタビューも掲載されています。
武田薬品では外部からの新薬導入と自社研究力、小野薬品では主力薬の特許切れ後を見据えた成長戦略、大塚ホールディングスでは腎疾患治療薬とバイオベンチャーの活用に注目。大塚HDについては、IgA腎症薬を軸にした大型化への期待や、特許切れへの対応策としての「青田買い」がオンライン版でも詳しく取り上げられています。
特集・注目記事
「期待の新薬はこれだ! 主要9社のパイプラインを診断」も、製薬業界を企業名だけでなく新薬候補という視点から比較できる記事です。
第3章では、医薬品をめぐる社会的な課題にも踏み込みます。糖尿病薬の「やせ薬」利用をめぐる問題、がん遺伝子パネル検査の普及と財政上の課題、次のパンデミックへの備えを扱うCEPI、そしてMeiji Seika ファルマ岐阜工場でのペニシリン原薬「国産化」のルポが並びます。
特にペニシリン原薬の国産化は、単なる製薬企業の経営問題ではなく、医薬品サプライチェーンの安定性という観点から読むことができます。中国への原薬依存をどう考えるのかという「チャイナ・リスク」の問題にもつながるテーマです。
また、特集と並んで掲載される新浪剛史氏×塩野誠氏の対談では、地政学を企業経営にどう組み込むかがテーマ。製薬業界に限らず、海外市場や国際情勢の影響を受ける企業経営を考えるうえでも興味深い内容です。
連載・インタビュー
通常連載も幅広く、井上達彦氏の「経済を見る眼」、OKI社長CEO・森孝廣氏への「トップに直撃」、牧原出氏の「フォーカス政治」、佐々木融氏の「マネー潮流」、加茂具樹氏の「中国動態」、安井明彦氏の「Inside USA」などを掲載しています。
このほか、井上透氏の「ゴルフざんまい」、金田信一郎氏の「ヤバい会社烈伝」、佐藤優氏の「知の技法 出世の作法」、大澤博隆氏の「名著は知っている」、頭木弘樹氏の「ビジネスと人生は絶望に満ちている」など、多彩なテーマが並びます。
「21世紀の証言」ではハイデイ日高会長の神田正氏、その2を掲載。「話題の本」では『室町「下剋上」サバイバル』の著者・清水克行氏へのインタビューも予定されています。
こうした連載群によって、今号は製薬業界だけを読む号ではなく、企業経営、金融、中国、米国、政治、歴史、AIなどを横断して現在の経済環境を考えられる構成になっています。
なお、雑誌は2026年9月28日発売、定価950円(税込)、JANは4912201311068。紙版・電子版が用意されています。
まとめ
『週刊東洋経済』2026年10月3日号は、「製薬 逆風下の勝ち筋」を軸に、日本の創薬力低下、米国の薬価政策、中国の台頭、国内製薬企業の成長戦略、医薬品サプライチェーンまで幅広く掘り下げた一冊です。
第一三共の奥澤宏幸氏、ノバルティス日本法人のジョンポール・プリシーノ氏をはじめ、製薬業界のキーパーソンへのインタビューに加え、武田薬品、小野薬品、大塚ホールディングスなどの企業戦略も紹介。製薬業界の現在地を知りたい人はもちろん、医療政策、投資、経営、産業競争力に関心がある人にも、テーマを整理するための情報源となる号です。

